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Rio Nitrus

Nitrus


今から4〜5年前に、一度 MP3 プレイヤを買ってみた事があります。
機種名は忘れましたが、MPMAN の初期の頃のヤツで、内蔵メモリのみ、パラレル転送で MP3ファイルを転送するタイプでした。

使ってみると、デジタルノイズは聞こえる、また再生開始/停止でショックノイズが 出るというオーディオ製品としてみたら「試作品レベル」以下の様なもので、 数回使って嫌になってしまい、そのまま使わなくなってしまいました。

それ以降、通勤時は MD とか、PocketPC + WMA とかで音楽を聴くようになりましたが、 いまいち納得出来る感じではありませんでした。 MD では、複数アルバムを持ち歩くのが 面倒だし、PocketPC では、音楽再生すると他のアプリケーションが極端に遅くなって しまうからです。

メモリープレイヤーでも買うかなぁ... と思ってはいたんですけど、それなりに高かった んで、様子見をしていたところに... 見つけてしまいました。

スペックとかよりも、製品のデザインにやられてしまいました。 まるで、 IBM ThinkPad シリーズのオプションかと思ってしまう様なデザイン。
値段は幾分高めでしたが、実物を見てみると思ったよりも小さく、質感も悪くありません。 デザインと質感のダブルパンチを食らってクラクラ状態で、思わず購入してしまいました。

... ついでに数週間後に値下げのパンチも食らいましたが。

Nitrus(ナイトラス)は、最近の流行りであるマスストレージには対応してなく、 専用のソフトウェア(Rio Music Manager ... RMM と略される事が多いです)か、 Wndows Media Player 9 を使ってのみ転送出来ます。

購入前は、マスストレージ対応してないのが面倒だと思ったんですが、いざ、 RMM を使ってみると、結局、エクスプローラを使うか、RMM を使うかの差だけで、 音楽ファイルにちゃんとタグを打ってあれば、アルバム毎でのコピー指定も 簡単に出来ますし、複数フォルダにある音楽ファイルも纏めて管理してくれるので 大差無いか、むしろ良いかもと感じています。
無論、データも一緒に持ち歩きたいという人は面倒なのかもしれません (Rio Taxi というソフトウェアで実現は出来ますけど)が、容量が 1.5G なので、 音楽データを入れると他のデータを入れる様な空き容量は残らない気もします。

RMM は、リッピング+エンコードとWindows上での簡単な音楽再生機能もありますので、 それだけの用途であれば、Media Player より十分実用的だと思います。

RMM は、リッピングとエンコードを分けて処理しています。 これが結構便利です。 というのは、リッピングだけ先に済ませる事が出来るので、寝る前に CD のリッピング だけ済ませておけば、寝てる間にエンコード処理をさせておく事が出来きます。
複数枚の CD を一気にエンコードする時に便利さを実感出来ると思います。

RMM で当初、気になったのは、外部ドライブとかで CDドライブが増えても RMM の デバイスリストに自動的にドライブが登録されません。 逆にデバイスが消えても デバイスリストから自動的には消えません(RMM を再起動するしかない)
今時、そりゃ無いだろう... と思ったんですが、良く考えてみるとそうしている事に 一理ある事が判りました。
それは表示上の事でリッピング→エンコード時はリッピングを行ったドライブの動作と して表示される様になっています。 という事は、リッピングは終わってエンコードを している時に、もし、ドライブを外して自動的にデバイスリストから削除されると、 実行中なのに、実行の表示がされなくなってしまう事になります。
まぁ、色々条件/状態を判断すれば自動的な登録/削除も可能でしょうけど、 判りやすい仕様ではあるかもしれません。 慣れてしまえば、気にもならなくなります。

さて、肝心の本体ですが、概してボタン系は小さくて押しやすいとは言えないです。 特に、メニューボタンが押し難い感じで、電源ボタンは まぁまぁ、ボリュームボタンは 爪を立てる様な感じで押せば大丈夫かなぁ... という感じです。

入力は、ThinkPad の TrackPoint の様なスティックと、押しボタン付きロータリー エンコーダを使ってメニューの遷移等が出来ますが、同じ様な用途の入力部を 2つ 持っていて一見贅沢に見えて、実は操作系が良く練られていない感じを受けます。
基本的にスティックを使えば全操作が可能なんですけど、曲を選ぶ時のエンコーダの 操作感も捨てがたいんだけど、エンコーダだけでは全操作は不可能...
入力のカスタマイズが例えば RMM からでも出来ればまた違うんですが... 特にエンコーダの押しボタンでメニューが出る様になってくれると、 曲とかの選択がエンコーダだけで出来る様になるので、良いんですがねぇ。

肝心の音質は、問題無いと思います。 気に入らなければ、5バンドのイコライザを 内蔵しているのである程度自由に変えられます。
ノイズも十分低く、再生開始時/停止時にちょっとノイズが出ますが、回りが 静かでないと聞こえないくらいなので、外出時ではほとんど問題のないレベルだと 思います。 曲間は心持ち開きますので、ライブで途切れない曲とかの場合は... 許せるか許せないか微妙な感じだと思います。 僕は全然 OK ですが。

バッテリーの持ちは、公称 16時間なので、通勤片道1時間の僕の場合は計算上、 1週間十分に使えるはずなんですけど、実際には使えない事が多いです。 だいたい、合計して、8〜9時間くらいでしょうか。 ちょっと期待はずれです。

この内蔵バッテリーは、低温に弱いらしく、温度が低いと電池残容量が 低くなります。 暖まると増えていきますので、冷たい状態で電池残量無しでも 人肌程度に暖めると使える様になったりします。

もう一つ気になるところで、起動の時間がちょっと長いという事です。 押して表示が出るまでもちょっと時間がかかって、そこから使える様になるまでも 時間がかかるので、再生出来るまで表示を「じぃ〜」っと見続けている必要が あります。 一時停止状態から復帰した場合は、自動再生とかにしてくれると、 起動したら、そのままカバン等にしまうとか出来て便利なんですが。

Nitrus は重さが 100g もないし、厚さもほどほどなので、胸ポケットに入れても 目立たず、重さも気になるレベルではないので冬場は、コートの胸ポケットに 入れて使っています。 胸ポケットにあるのでヘッドフォンのコードも短くて 済みますので、コードが邪魔になる事も無くて快適です。

充電が USB からも出来ると便利なのになぁ... とか、電源OFF 時に ACを挿しても なんの表示もしないけど、充電はしているという(電源 ON時に充電を始めると、 電源OFF時以降は充電アニメーションが表示されます)満充電が判り難い仕様とか、 細かいところでも気になるところはありますが、総じて満足しています。


 
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